消費者の心理学講座

消費者視点を考察するブログ

無意識に「損する」行動

人は無意識に損をする行動をとりがちで、それは私たちの普段の生活の中でも起こっており、誰もが無意識のうちに損をしたり、得にならない行動をとっているもの。



経済学の考え方では、基本的に人間は経済的な合理性を考えて行動するとされており、物事の解釈もそれに則った形で進行するので、「明日もらえる1万円」と「1年後にもらえる1万2,000円」であれば、金額の多い1万2,000円のほうがトクだという考え方で、経済的な合理性があるというわけです。


しかし、よく考えてください。
同じような選択をしなければならないとき、あなたらならどちらを選択しますか?


恐らく多くの人が経済的合理性よりも「明日もらえる1万円」を選ぶのではないでしょうか。
遠い未来の利益よりも目先の利益を優先してしまいませんか?


また、当たりくじとはずれくじが、それぞれ1本ずつ入ったボックスの中から、1本くじを引くというゲームがあります。


当たりが出たら2万円もらえますが、はずれの場合には1万円を払わなければなりません。
また、もう一つの選択肢として、くじを引かなければ5千円もらえるとした場合、あなたはどれを選択するでしょうか?


ギャンブル好きなら迷わず、くじを引くのでしょうが、大抵の人は「くじを引かない」という選択肢を選ぶのではないでしょうか?


これは金額が上がれば上がるほど、その傾向は大きくなっていくと思います。


つまり、利益を得られるチャンスがあるにもかかわらず、多くの人が損をしたくないという気持ちでくじを引かなくなるのです。
(まぁ、この場合、多少の利益を得られるのでフェアな例えではありませんが・・・)


つまり、人間は常に合理的に行動するとは限らないのです。
ですので「経済学」を中心に物事を考えてしまうと危険で、人間心理というものまでを含めた、行動や考えをしたほうが幸せになれそうです。

消費者心理が変化

マクロミルが、新型コロナウイルスが消費者心理に及ぼす影響について調査した結果が発表されました。


それによれば「過去1週間で気になった話題やニュース」を2020年4月第1週~5月第1週の間で週ごとに集計してみたところ、すべての週でトップとなったのが「新型コロナウイルス」となり、各週ごとで2位のワードを見ると、4月第1週「志村けんさん死去」、第2週「緊急事態宣言」、第3~4週「給付金10万円(特別定額給付金)」、第5週「岡江久美子さん死去」、5月第1週「緊急事態宣言延長」となったのだそうです。


こうやって検めて振り返ってみると「コロナウイルス」の影響がいかに大きいのかわかりますし、著名人が亡くなったことを聞くと、その深刻さが如実に判断できますよね。


また週ごとに「気分(センチメント)の変化」を見ると、志村さんが死去された4月第1週に「悲しかった」が急上昇し、さらには「不安だった」「憂鬱だった」などのネガティブな感情も上昇したようで、4月第2週になると「不安だった」がピークとなり、4月第3週に「憂鬱だった」がピークに達し、そのストレスが次第に大きくなっていったことが見て取れます。



その後は低下し、4月第5週~5月第1週のゴールデンウィーク期間になって「楽しかった」のスコアが上昇するのですが、これは、自粛期間とはいえ、会社に向かわなければならない人たちも多く、ゴールデンウィークとなり会社に出社する必要がなくなったことからアップしたような気がしますよね。


その後の動きに関しては、データとして出ていないようですが、ネガティブな感情は薄れていき、ポジティブな感情が徐々にアップしてきているとは思うのですが、いまだコロナの終息が見えていない中での安堵感は危険ですし、気持ちをアップさせつつも、用心だけはしておきたいですよね。

別腹の心理

「デザートは別腹」。


よく女性が口にする言葉ですが、これはどんなに満足感を得ていたとしても、目先が変わると満たされなくなるという心理を表した言葉で、このような変化は食事だけに限らず、様々なシーンで目にすることができる。


例を挙げると、居酒屋で飲み放題などでどんなにたくさん飲んでも、2次会などで場所を変えると、不思議とまた飲んでしまうというようなことで、飲み放題なのだから、一軒目の飲み放題で満足かつ満腹になるまで十分に飲んだり、食べたりすればいいのですが、なぜか店が変わるとまた飲めてしまう・・・。


こんな経験をしたことのある人は多いでしょう。


飲み物ならともかく、一次会で満腹になるまで食べたと思っていたのに、2次会ではさらに食べれる自分に驚くというようなことは多々あります。


これは、心理的に視点が変わることによって新しい購入意欲が生まれてくるため、満足しているとしても新たな欲求が生まれ、ついつい頼んでしまうんです。


そう考えると、これまで販売で悩んでいる商品があって、どうしても売りたいと思うのであれば、消費者の視点を変えさせるというのも一つの方法となりえます。